She’s Rain風に
最後にエミリーへ。
(この書き方、高校生のときに読んでハマった平中悠一の「She’s Rain」の書き方。これと「Early Autumn」は覚えるくらい読んだ)
偶然これを読んでくれる可能性って、どれくらいあるだろう。知ってる人が見つけることを想定しないで書いている、というより、見つけられないことを願いつつ書いているのに、君が見ているってことは、他の人たちも見てるはずだから、ぼくとしては実はかなり困るんだけどね。ジレンマだね。
法律勉強したかったのに、同じ法学部だからって政治学科に入学した経緯、ちょっと面白く書けそうだと思って書き始め、ホテルに行けずに別れた話も面白いかなと思って書いていると、書いてる今になって新たに気づいたことがあまりにたくさんあって、思いのほか長くなってしまった。
ぼくは自分のことしか考えていなかったことに愕然としたよ。
君のことを好きだなんて思いながら、君の気持ちや行動を少しも理解せず、君のことをずっと分からない分からないと思っていただけだった。情けない。好きだなんて言えないね。
ぼくは子どもの頃も、大学入試の前なんかも、君に恥ずかしくない、いつもサエてる君にふさわしい男でいたいってのがモチベーションだったよ。君の基準に満たなければ相手にもされず、話もできなくなるって知っていたから。
実際、君が他の男の子とまともに口きいているの見たことなかったし、相手にしているかと思ったら男の子たちに「バーカ バーカ!」って言ってる姿しか知らないもん。
言い訳にならないかもしれないけど、ぼくはそうならないよう、少しでも君から「すごい」「素敵」と言われるようにしているだけで手一杯で(スカしながら)、君のことや君の気持ちを理解しようとふつうに頭を働かせることすらできなかったみたいだ。
ぼくは君にはっきりと、どれだけ好きかだとか、君の何に惹かれているかだとか、君のどんなところを素敵だと思うかだとかについて伝えることなく今日まで来てしまった(それから、今日よくよく考えてみて我ながら超驚いたことに、ぼくは君に、直接好きだと言ったことすらなかったんだよね。小学5年生のときに言ったつもりだったんだけど、あれってそういえば、同級生の男の子のお姉ちゃんから「ねえねえ、ナリタくん、誰が好きなのよ?」って訊かれ、エミリーだと言ったところ、「じゃあ私が伝えて来てあげよっか」とか言って君に言いに行ったんだよね。そしたら帰って来たお姉ちゃん「エミリーもあなたのこと好きだって。ヒューヒュー」って言われただけだから、自分で好きだと言ったわけじゃなかったんだよね。その話ははっきり覚えていたにもかかわらず、どういうわけだか自分で君に好きだと言ったつもりになってた。驚きだね)。
そんなふうにぼくがスカしてばかりで自分の気持ちを伝えなかったから、君の方もぼくの気持ちがわからず困惑しただろうね。
どうして慶應の入試受けなかったかとか、一旦別れた理由、今回考えててやっとわかったんだ。譲ってくれたんだね。本当にごめん。それに気づきもしなかったのがとても悔やまれるよ。
ぼくはてっきり君がぼくと同じ大学には行きたくなくなってしまったり、大学入ってもぼくと付き合ってたら、世界が広がらず大学なんか行く意味なくなっちゃうって考えたのかなとか、「受かったら、ね」って意味ありげに微笑んだことを後悔するようになっちゃったからかな、なんて思ってたんだ。
今のぼくがこんなところで何年も仕事もしないで犬と遊んで暮らせているのも、もとはといえば、君が大学譲ってくれたからなんだ。譲ってくれたのって、ぼくが東大にセンターで落ちたからでしょ?(笑
今だったら…
仮定の話で意味ないかもしれないけれど、もしもあのときに戻れるなら、ぼくは君と渋谷で会って、君に大学のこと、ごめんねって言って、ずっと大好きだったよっていうよ。君の弾くピアノも好きだったよ、とも。
そしたら君がいつものように、「サルトルとボーボワールの関係知ってる?」
って質問して、ぼくは、「ぼくらも、それで行く?」と答える。すると君は、
「知ってたの?信じられない!」って言う。実はフランス語の先生から教わったんだ。
それからぼくは、「もうカフェオレはいいよね?出ようか?」って言ってテーブルで会計して、トイレ行って、渋谷の裏道を二人で歩く。ぼくは「エミリー、今日のデート最高だよ。ありがとう。大好きだよ」って言って、その辺の小綺麗なホテルに入る。とくには何も言わずに。
ていうか、あのデートコース、ホテルまで計算に入っていたんだよね?入ってないとすると、「私、ホテル行くつもりじゃないよ」ってのが本音だったことに……
まあいいよ。それでもぼくはホテルに入るし、君もやだとは言わないよね。とりあえず中に入るくらいは大丈夫だったはず。
君は今どうしてる?
君は今どうしているだろうか。
独身でいる可能性が高いと思ってる。ぼくはわりと長く、10年くらい結婚していたけれど、別れよって言われて、出ていかれちゃった。
君がもしも結婚しているとしたら、相手はきっと日本人じゃないよね?そしてかなり前から日本ではなく海外に住んでいるんじゃない?おそらくブラジル。サルサなど、ラテン系のダンスをやってたりするかな。ぼくはジョングリシャムの「パートナー」という作品が好きなんだ。
主人公の弁護士が、奥さんとか仕事に嫌気がさして、死を偽装して姿を消して、事務所が扱ってた事件で事務所やクライアントに入るはずの巨額のお金をかっぱらって犯罪人引き渡し条約のないブラジルに渡って隠れて暮らすんだけど、ブラジルで仕事を頼んだ法律事務所の美人の弁護士を協力者にして、アメリカに堂々と帰って来られるよう画策するって話なんだよ。ブラジルといえばあの話を思い出すんだ。あと、ぼくにもブラジル人弁護士の仲良しがいるしね。ブラジル人ってほんとエロくておっかしいよね。きみもエロいことされているんだろうか。ぼくは君をエロい目で見ないように気を遣ったのにさ。

ぼくは今でもあまりイヤらしくなくて、爽やかなんだぜ。最後にデートしたあの日、ぼくはたぶん、ラルフローレンの白のボタンダウン着て、ラルフのチノパンにティンバーランドの犬ぞりレース用のブーツを履いて行ったと思うんだけど(なんでそこまで覚えてるかというと、いっつもそんな格好だったから。で、君に会うからといって、特別な服着て行くとかダサって思ったから)、今でもラルフのシャツ、カーゴパンツかデニム、ロングブーツってスタイルだよ。南国でブーツってのもバカかって目で見られるけど、ぼくは気にしない。身長も体重も視力も、あの頃とほとんど変わってない。あ、メガネは多分あの日持ってたセルフレームのはなくしちゃって、今は似たようなセルフレームのだよ。そういえば、君と会ったあの日の少し前に、街歩いてたら、写真撮らせてくださいって言われて、雑誌メンズクラブの「街のアイビーリーガーズ」に載ったんだよ(その日もぼくは青のボタンダウンにラルフのチノパンって格好だったんだけど、雑誌では、「彼は工夫が足りないね」とかって批評されてた!知るか!オシャレしようなんて思って服着てないわ。どうしても写真撮らせてくれ言うから撮らせたのに、偉い人にけなされた。オトコはオシャレとかしねえんだよ。あるもの着てるだけじゃ。毎日この格好なんじゃボケ。何十年も経った今でもおんなじなんじゃ)。
メガネで思い出したけど、最近老眼が…。近視用のメガネかけてるときにSMSとかメール来たりしても、携帯の文字が見えないんだよね。ヤバい。でも外見はオヤジくさくないんだぜ。あ、髪の毛とヒゲの白髪がけっこうすごいんだった。よくいえば、ジャンレノとかショーンコネリーの伸びかけのヒゲって感じ。
君が住んでるのがヨーロッパだとすると、スペインかポルトガル。おそらくスペイン。フラメンコかフラメンコギターやってる。
ぼくもスペインの学校行ったよ。
次に住みたいと考えてるところもスペインなんだ。
ポルトガルはないかもとも思ったけど、音楽だったらありうるね。そういえばダンスもあるね。というか盛んなんだね。
Danza KrudoにいうKrudoがあるもんね。
そういえば、君だったらDanza Krudoの歌詞の意味もわかるんだろうなって思ったことあったよ。久しぶりにDon OmarのDanza KrudoのPVみてみた。そしたら後半、浜辺でKrudo踊るダンサーに君に似た子発見。いちばん色白の子。

学校の先生とかをやってるとすれば、パラグアイなんかもありうると思う。とにかく君は語学と音楽の才能と知識を活かしてるはずだ。セクシーなダンスをしていることも間違いない。見たいな。
既婚にしろ独身にしろ、君はぼくと同じく、子供はいないだろうね。ぼくらの生い立ちからすると(ごくごくふつうの家庭だけどね)子供を持つなんてゾッとするから。子供の方もかわいそうだしね。家庭を持つのも本当はゾッとする。
業務連絡
エミリー、可能なら、または状況が許せば、連絡が欲しい。
このブログのどこかに連絡手段(メール)があるはずだから、そこからメールくれるとうれしいな。
今は募集してないんだけど、そのうち募集するから、メルマガに登録してくれてもいいよ。メルマガに登録してくれたところで連絡くれたことにはならないけど、一応、登録のときに名前とアドレス入れるフォームになってるから、ぼくの方では君が登録してくれたってわかるんだ。あと、メルマガの返信アドレス宛にメールくれてもいいよ。
メルマガは多少は役に立つと思うよ。だから連絡手段としてだけじゃなく、こっそり購読してくれてもいいよ。
もしかするとそのうちメルマガで何か商品を勧めることもあると思うけど、欲しい場合はぼくに言って。買わなくていいよ。ぼくの売り上げになるだろうからと、買い占めるほど注文するとかやめてね。
もし、君が今、桁違いの大富豪になってしまっていて、ぼくに協力するくらいしかお金の使い道がないというんだったら、直接お金くれたらいいよ。会計上の処理は希望に合わせるよ。寄付がいいとかだったら財団とか作るし。ぼく一応国際弁護士だからさ。
エミリー以外でこれ読んでる人、いたずらで「エミリーです。お久しぶり」なんてブログとかから連絡してきたりしないでください。言うまでもないことですが、エミリーというのは便宜上呼んでる名前にすぎませんので。本物は「エミリーです」なんて名乗りません。念のため。
(エミリーへ。ふざけて「エミリーです」なんて名乗らないで。ややこしくなるから)
エミリーのふりしてこっそりメルマガに登録して、ぼくが軽く何か勧めたりしたものを、ぼくの助けになると思って10個も20個も注文するのは、あとでキャンセルとかしないのでしたら大丈夫です。禁止まではしません。
ナリタマトコのムツゴロウ動物王国
さっき家庭を持つのもゾッとする、とか書いたけど、今ぼくは、大型犬3頭と、フクロウと2mのオオトカゲと同居してるんだ。
特にうちの犬はたいへんな分離不安で、少しの時間も離れることができないものだから、今いるところから動くことができないんだ(フクロウのほほちゃんとかも、国際間移動しようとすると、ウィーン条約に引っかかるしね)。
買物行くのに家を空けることもできないからたいへんだよ。
わりと広くて、部屋もいくつもある家なのに、リビングルーム一個しか使ってない。全員、寝起きも食事もその同じ部屋。
ぼくのいるベッドに1〜2頭寝てる。
それから2つあるバスルームのひとつをフクロウのほほ子に提供していて、リビングの隣とその奥にオオトカゲさんが住んでる。もう一匹いて、その子は庭の側溝に住んでる。
家の貸主が見たら発狂するだろうな。
動物なんてとくには好きじゃなかったぼくがムツゴロウさんの動物王国みたいになるとは想像もしなかったよ。
人間の子供なんかぜったいに受け付けないのに。それに、余談だけど、ぼくは人間の女性と同じベッドで寝るのも超苦手だったんだよ。つうか寝られないし。じんましんが出るんだ(あ、短時間ならOK。これ言っておかないと)。まさか犬たちと寝られるとはね。
動物王国を留守にすることができず、出かけられなくなっちゃったから、夜、クラブなんかにもまったく行けなくなっちゃった。
今でも、ほんとは時々はクラブでパーティー弾けたいぜとも思うんだけどね。
うちではクラブミュージックみたいなのばかりかけているから、うちの犬たちはクラブミュージック慣れしている。なので、犬を一緒に連れて行けば、クラブに行くこと自体は可能。建物の中には入れないだろうけど。
ただ、女の子を連れ帰っても、一部屋しかない。その部屋で黒い大型犬が3頭、こっちの一挙一動をガン見。なので連れ帰れないわ。ぼくのシャワーとかトイレが長いだけで、奴ら勝手にドア開けてこっちの様子見に来るし。監視きついのだ。
とまあ、ぼくはこんな感じの生活をしてるよ。
本ポストは
ぼくが法学部法律学科ではなく法学部政治学科に入学したヒミツ(emily1)
のつづきだよ。