EU・スイスのパスポートを3-6ヶ月、わずか数千ユーロ(数十万円)で取得する方法
*この原稿は、2010年-2011年に書いたものだから、情報としてはちょっと古いんだけど、PTのグルってものがどういうことを考えてどういうことをしているかが垣間見えるものだからこのブログに載せることにした。
また、この表題にあるような「EU・スイスのパスポート」そのものは実際には取得できるわけではない。それと「同等」の書類が取得できるということに過ぎない。ぼくは弁護士として、このようなステマというか、欺瞞的顧客誘引のようなことは書きたくないんだけど、永遠の旅行者(PT)の提唱者でぼくの師匠であるW.G.ヒルが書けというので書いたものだよ。
EUパスポート・スイス国パスポートと同等の書類
スイスにある、湖畔の素晴らしいロケーションでアパートを借りることで、EUパスポートやスイスパスポート(EU国籍ないしスイス国籍)と同等の書類(パスポート=旅券として使用できるカード)を、3ヶ月から6ヶ月以内で取得できる。
スイスの銀行シークレシー(秘匿性)は、例のUBSと米国の問題で現在危険視されてきているが(もっとも、スイスの銀行の安全性は今なお世界一である)、スイスの秘密口座を保有しつつ、スイスの入管の厳しいチェックの対象とならずに誰もが簡単にほぼ無税で、合法的にスイスに移り住むことができる方法はないものかと、我々はずっと考えてきた。
ここにその答がある。
スイスにあるイタリアの飛び地、カンピオーネ・ディタリア
それは、スイス国内の、イタリア領タックスヘイブンであるカンピオーネ・ディタリア―非常に小さなイタリア領土で、大昔、地図作成者がミスを侵したせいでできたとしか思えない飛び地―である。カンピオーネは、イタリア領でありながら、ほぼスイスの一部として機能している。
カンピオーネは、1956年、私の父(実父ではない。Bill:W.G.ヒルが私のことをMy Sonと呼んでるだけだ)が古い文献の中から見付けた最初のタックスヘイブンである。カンピオーネのシンボルでもあるカジノ 〜 カジノカンピオーネ 〜 は、ヨーロッパ最大のカジノだったが、今現在もスイスのルガーノ湖の湖畔の小高い丘の上に存在している(現在でもヨーロッパ最大のカジノである)。
カンピオーネは経済的にはスイスに属し、郵便、電話はスイスの国営サービスである。道交法上の自動車登録もスイスであり、登録された自動車はスイスのナンバープレートを付けることとなる。
国境での出入国管理はないため、カンピオーネ居住者はスイスとリヒテンシュタインに無制限のアクセスが可能であり、したがってカンピオーネに居住することはヨーロッパにおいて極めて大きなアドバンテージをもつのだ。
EU・スイスパスポートと同等の、旅券としても使える身分証入手するには?
EU・スイスのパスポートと同等の、ヨーロッパで旅券としても使うことができる身分証を手に入れるには、カンピオーネディタリアでコンドを借りればよい。
あるいは、コンドかアパート(もちろんボートハウス付きの戸建ての家でも)を購入することで足りる。
ぼくが借りているコンドは、月額2500スイスフラン(コンドチャージ500CHF込み)で、65平米、ルガーノ湖の眺めと日当たりが最高で、プール付きだ。
屋根付きの車庫もついている。
為替相場の影響もあり(ここでは一般的にCHFでの支払)、現在の不動産価格はざっくり言って、東京の山の手の半額くらいだ。
カンピーネディタリアでのコンド購入
ぼくのコンドと同程度のアパートを購入するとすると、約3000万円で売りに出されている物件を、売主との交渉で2000万円くらいにはすることができる(日本でのネゴとはかなり違う感覚だろうと思うから慣れが必要だと思われるが。Billは先日、約2億円の物件を7000万円にまで値切った。湖に面して建つ、一階がボートハウスになっている非常にステイタスの高い物件だ)。
コネがあれば(ぼくが言えば大丈夫な話だったけどもう無理だ)地元の銀行の融資が70%程度まで受けられる。日本との最大の違いは、物件の価格が中古であることで下落しないことだ。
この点は日本の感覚とはまったく異なる。つまり、仮に新築を買って数年経過して売ることにした場合、日本であれば通常半額程度にまで下落する(これは日本の新築マンションの販売業者の収益構造に極めて問題があるのだと思うが…マンションに限らず戸建てでも下落が顕著なことからすると、販売業者だけの問題ではないとは思うが)
日本と全く異なるヨーロッパの不動産事情
ところ、ヨーロッパではほとんど価格が下がることはない。むしろ、カンピオーネでは不動産価格が毎年10%くらい上昇しているので、購入時新築であろうと中古であろうと、数年で数十パーセント上がった価格で売ることが期待できる。
決して勧めるわけではないが、投資対象として考えた場合、家賃で年間10%の収入が得られるとして、毎年10%の価格上昇を加えると、単純に20%の利回り、これを物件価格70%の融資を受けて購入すれば、返済分を差し引いた利回りとして、完済前でも33%以上になる計算だ。
(ただし、ぼくは個人的には、どのような場所や場合であっても、価格上昇率というものをそれほど信用していない。カンピオーネでは以前から不動産は毎年10%の価格上昇と言われているし、地元の不動産業者もみんなそう言っているが、仮にそうだとすれば10年で価格が倍になるが、そんなに明白なことなのに、実際に検証したのかどうか怪しい。また、誰にとっても毎年10%の上昇だとすれば、この価格上昇は複利でなければならないはずなのに、そうすると7年で倍、20年で7倍以上、23年で10倍の価格になる計算になるが、そのようなことはありえないだろう。この問題は世界中の不動産についていえることだが。
また、過去に不動産価格が上昇していたとしても、当然ながら将来の上昇までは保証できないし、下落しないと言い切ることすらも~あまりないことだろうとはいえ~難しいだろう。
ぼくの個人的な見解でいえば、不動産価格が年々上昇するといわれる理由は次のようなメカニズムゆえだと思われる。不動産を買った人は、買った価格よりも高い価格で売りたいと考えるのが通常だ。せっかく買った不動産で儲けたいからだ。
1年前にある不動産を買った者が、買値の10%プラスで売りに出す。この不動産の価格を1年前から観察していた人が見ると、1年間で10%上昇したように見える。
それがあらゆる物件で言えるとすれば、不動産市場全体について、各不動産が10%上昇した見かけとなる。確かに売り出し価格でみればそういえるだろう。
しかし、売主のつけた値段で売却できるとは限らないのだ。結局はその値段では売れないでそのまま残ることもあるだろうし、10%以上値引きして処分せざるをえないで決着したかもしれない。そうしたことは、外からはわからない。
同一の不動産が毎年取引され(つまり購入者は翌年必ず売りに出し)、かつ売主オファー価格(元の買値110%)での売買契約が成立し続けているのであれば、毎年10%の上昇だといえるが、しかしこの場合、先のとおり複利10%ということになってしまう。ところが実際は、不動産価格を観察する者は、広告で次のようなものを見ているにすぎないだろう。
2005年 不動産A:1000万円
2006年 不動産A:1100万円、不動産B:2000万円
2007年 不動産B:2200万円、不動産C:1500万円
2008年 不動産C:1650万円、不動産D:1000万円
2009年 不動産D:1100万円
どの不動産も、前年の売主オファー価格の10%増しで広告が出ている。そうすると、「年々10%上昇している」と言ってしまうのが不動産に関わる人々である。このメカニズムであれば、同一不動産が毎年売り買いされていないだろうことも、単利の10%であることも説明できるだろう)
毎年10%の価格上昇があるかどうかは別として、売却時には1割くらいは高く売れるだろうと考えて(買うときにうまく買い叩いておくなどすればなお良い)、空室リスクをゼロ:賃料収入を安定的に得られると仮定し、自己資金30%、融資70%(金利3%程度)で買った場合の売却時の自己資金に対する利回りは、30%強ということになる。リスクを抑えるためと対自己資金利回りを大きくするために、できるだけ短期間で売却することが望ましい。これを繰り返せば、理論的には毎年、30%の利回りで利益を得ることができるのだ。
(取引手数料が低いか、低く抑えられるならば、このように1年、2年くらいの短期での売買を繰り返すのが安全だろう)
カンピオーネでは、今、ロシア人による不動産の買い漁りが激しい。今年の夏、この小さな町にロシア人経営の不動産屋もオープンした。住民はあまり嬉しそうではないが、我々からすれば、買主が増加中ということであり、不動産取引が活発であり、少なくとも数年の短期でならば、購入した不動産が売れないリスクが小さいというありがたい状況にあるといえる。これをチャンスと考え、セカンドパスポートの取得と投資の一挙両得を狙うというのは、客観的にみて合理的だろう。
不動産売買というリスクある行為、それも最低でも7、800万円の資金を必要とするようなこと([自己資金×0.3×X年]、自己資金1000万円・4年として、1000万×0.3×4=1200万円の純利益を得られるとしても)は避けたい、とにかくPTライフスタートのためのセカンドパスポートを最低限の出費で取得したい、という場合は、最初に書いたように、数十万円からの少額で可能であることが、珍しいタックスヘイブン、カンピオーネディタリアの魅力である。ぼくは、どちらのアレンジも可能だ。”Money Talks、 Bulls**t Walks”ではあるけれど。