海外発「コブラ4匹に襲われた家族を守り死んだ愛犬」って、めちゃくちゃな話題

海外発「コブラ4匹に襲われた家族を守り死んだ愛犬」って、めちゃくちゃな話題

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目次

昨年話題になったらしいニュース。ひどいぜ。

「4匹のコブラに襲われた家族を守り抜いて死んでしまった愛犬…」とか、「飼い主を守るため猛毒コブラに噛まれながら闘う犬 血だらけの犬の元に集まった人々の行動に涙」とか「恐れを知らないドーベルマンが猛毒の蛇から家族を救う」ってタイトルで、昨年の7月くらいに話題になったらしい話。
(これらの翻訳記事そのものに意見があるわけではないので、記事のURLは載せない。検索すればヒットするはず)

インドで、飼い犬のドーベルマンが、家の敷地に侵入したコブラ4匹を相手に戦い、最後のコブラの息の根を止めた数分後、戦闘中に噛まれたコブラの毒により息絶えた、という話なんだけど、これひどいんだよね。これらの日本語の記事がひどいわけじゃなく、この話は世界中に拡散してニュースになったみたいなんだけど、元のソースはほぼ1ヶ所っぽい。それを英国の新聞のオンライン版なんかもソースとしてそのまんまの記事を書いてるものだから、同じ文章の同じ記事がいくつもヒットする。

犬がヘビに噛まれて死んだという記事を見たり動画を見たりすると、他人の飼い犬にまったく興味がない冷酷非情なぼくですら、やるせなくて張り裂けそうな気分になるし、この死んだドーベルマンのことも無念でならないのだけれど、それだけに、「こんな作り話あるか」って憤りで眠れないくらいだ。あまりにひどい。

もう、ぼくはこの間から、ヘビに取り憑かれたかのようにヘビと犬に関する記事ばかり書いていて、そのせいでヘビと犬に関係する話題が目につくし、別のことやってても(別の子とヤッてても、じゃないよ)ヘビとか犬とかのことばっかり考えてしまう。だけど今回言及する上記バイラル記事で、犬はコブラに噛まれたら激しい痙攣をしながら数分で必ず死ぬって書かれているのを見て(本当かどうか不明だけど、彼らの心拍数の高さからすれば、人間より遥かに早く毒が回るだろうことは、助かる見込みがないことの十分説得的な理由たりうる)、絶望的な気分にもなってる。

この話題がひどい理由

家族は襲われていない

犬がコブラと対決していたとき、飼い主たる家族は家の中にいたから、家族はコブラには襲われてはおらず(「4匹のコブラに襲われた家族」とあるけれど)、

犬が家族を守ったとはいえない

どんな戸口や窓の家かは知らないけど、戸や窓がきちんと閉まる家ならば、こんなでかいヘビが家の中に侵入することはないのだから、犬が家族を守ったとはいえない(「守り抜いて死んでしまった」「飼い主を守るため」「家族を救う」とあるけれど)。犬にとって敷地に侵入してきた小動物は獲物であって、これを片付けるのは飼い主を守るためではないし、愛情に基づいた行為ではない
毒ヘビがどんなものかを知っていて(知っていなければ家族を守ろうなんて思うはずがない)、家族を守るためなのであれば(後述のように毒ヘビが人間を襲うために侵入するはずはないけれど)、万が一自分がヘビに噛まれたら家族はヘビにやられてしまうわけだから、単独でそのような危険を冒さず、まずは人間を起こして警戒を促すだろう。’

ヘビに対して無防備すぎる

こんなでかいコブラが一晩に4匹も現われるような土地に住んでいながら、戸や窓に大きな隙間があったり、開けっ放しで就寝していたんだとすれば、そもそも死ぬ気まんまんか、死んでも文句言えないくらい不注意だ

犬を生け贄にしたに等しい

そのような土地に住みながら、屋外の庭に犬だけ放しておくのは、ヘビに殺されてしまえといってるようなものだ

犬を止めず、ヘビと格闘するにまかせた

犬の激しい吠え声に目を覚まして外に出たら、犬がヘビと格闘しており、最後のヘビを片付けるまで犬は攻撃をやめなかった、ってことだけど、人間がヘビをやっつければ、犬を止めることはできたはずだしね(スイッチの入った大型犬をただ止めるのは難しいが、人間が獲物をやってしまえば止まる)。ヘビなんて、鍬(クワ)ででもショベルででもぶった切ればいいだけなんだから。人間には腕のリーチと鍬などの柄の長さ分のリーチがあるんだし、ヘビは幸い犬と対峙しているんだから、犬とは反対の側から仕留めることもできるはずだ。ぼくだって、片手で犬を制しながら、クワで2mの毒ヘビをクビにしたことあるぜ。お互い生命に関わるので、かわいそうだが仕方ない。
(ただし、ヘビは全身が筋肉でめっちゃ硬く、骨も強いから、切断することはそれほど容易というわけではない。それゆえ犬も苦戦するのだ。だからすごく勢いよく、ヘビを「叩き切る」感じで切らないと逆に危ない。クワは刃部であるヘッドが重くできていて柄も長めゆえ、身近なものの中でいちばん、叩き切るのに適した道具だった。いちど、狙いが少しずれて、一撃で完全には切断できなかったことがあった。それでも首の下のところが真ん中くらいまで切れていたのに、生きてて攻撃してこようとした)

犬がヘビを退治するより、人間がヘビを退治する方が容易だ…たとえ素手でも

後述するように、犬はけっこう、ヘビをやっつけてしまう生き物なんだけど、人間の方がよっぽど早く、簡単にヘビを退治できるんだから。手ぶらで出かけた先でヘビに遭遇したならともかく、自宅なんだから、使える道具はいろいろあるでしょ。たとえ素手であったとしても、尻尾をつかんで何度も地面に叩きつけてキングコブラをやっつけた人の動画がある。それでも犬が数頭がかりでヘビをやっつける場合より断然早いんだよ。ちなみにそれもインド人の動画ね。

心優しい日本人のおじさんでも、棒一本でキングコブラを無力化できる

タイ在住のお父さんで、家に侵入しようとしていたキングコブラを、お嬢さんの杖で殴り殺した、優しくて頼もしい日本人のブログ記事があるよ。当然だけど、頭部を強く叩けばヘビだって死ぬ。頭部のみを狙い、垂直に振り下ろす感じで叩くのがよいのだろうと思う(横に振り回して打撃を加えてもダメージ小さいからね。巻き付かれる危険あるし)。前述の、キングコブラを地面に叩きつけて退治したインド人の例も、頭部を叩くのとだいたい同じことだね。

ヘビ多発地帯だろうから、わかるでしょうに

あんな毒ヘビが一度に何匹も出現するような地域に住んでる人が、そんなことも知らずに生きてるわけがない。生きていられるはずがない。生きてこられたはずがない。

ヘビが、家屋に住む人間を襲う目的でわざわざ侵入を試みるなんて考えられない。人間もドーベルマンも、コブラの捕食の対象とはならない

なんでいっぺんに何匹ものヘビが、ひとつの家に侵入しようとするよ。犬だっているのにさ。その設定がもし本当なんだとすれば、人がヘビの住み処を占拠して住んでたってことで、そうだとすればやはり無防備すぎる。わざと犬を犠牲にしたのかと思ってしまう。それに、コブラが、不意に出会った人間や、不意に出くわした犬に噛み付いて殺すことはあるだろうけど、食べるためではないはず。ニシキヘビならともかく、コブラは、キングコブラでも、人間や大型犬のような大きい生き物をエサにはしないはずだから、屋内にいる家族を狙って、大型犬のいる家にわざわざ侵入しようとはしないはずだ。ヘビは丸呑みして食べることしかできないから、食べられる獲物の大きさには限界がある。
そしてこの、キングコブラといえど、人間を獲物として狙ったりしない、ということを、インド人が知らないはずがない。
毒ヘビに噛まれるのは、人間とヘビが不意に近い距離で出会ったり、人間が不用意に近づいたり触ったりしようとしたりして、ヘビが脅威を感じたときに限られるってことだって知らないはずがない。知っているから、ヘビの生息地の近くに住めるわけだし、生活圏の周辺にいるヘビを一掃したりしなくても、ふつうに安心して暮らせているのだ。いつ、自分や家族が恐ろしい毒ヘビに食われるか分からない、と思いながら、うかうか寝てなんかいられるはずがないでしょ。だから、狙われないことは分かってるわけだから、「犬が守ってくれた」とか「犬が救った」なんて白々しいんだよね。

ヘビは群れで生きる生物ではない。ヘビが群れをなして狩りをするはずがない

ドーベルマンがキングコブラ3匹から家族を守り犠牲に
ドーベルマンが退治したとされるヘビの写真。これどうみても種類の違うヘビじゃない?それらが群れをなして民家を襲いに来る?また、見た感じ、硬直の仕方も劣化具合もまちまちなんだよな。犬がヘビを片付ける方法って、かなり効率が悪いんだよ。ひと噛みで決まるものじゃなくて、何度も何度も咥えては振り回すことを繰り返すんだよね。一度に4匹のヘビが襲いに来ていたとして、たった1頭でそれを相手して全部倒すってのはムリがあるんだよね。ストーリーもそうだけど、この写真だけ見ても不自然さが溢れている。

爬虫類であるヘビは、孵化したときから親と同じ姿で、単独で獲物を狩って生きるから、子育てをしたり親子や家族で暮らすこともなく、基本的に群れで生きる生きものではない(*1)はずだ(爬虫類でワニだけは子育てをするというのをどこかで見たが、最近の研究ではマムシも子育てするらしい)。また前述のように獲物を丸呑みするわけだから、ひとつの獲物に対してヘビ1匹であって、各個体は、他の個体と獲物を分ける関係になく(トカゲとかヘビって、食べ物をかじって食べるとか、噛み切って小片にすることができないようだ。うちのミズオオトカゲを見ていて気がついた。だから、食べ物をみんなで少しずつ齧るとか、みんなで取り分けることができず、口に入る大きさの生物を各自丸呑みするしかない。よって他の個体と獲物を分ける関係にない)親子であろうとエサを取り合うライバル関係にある。それゆえ、他の個体と協力して同一の獲物を狙うなんてことは考えられない(*2)この話の4匹のヘビの写真は、同じ種類のヘビですらないように見えるわけだけど、それが一度に同じ家を狙って侵入を試みただけでなく、同時にしろ1匹ずつにしろ、1頭の犬に襲いかかるだろうか?また、たとえ同時に侵入した複数のヘビがいた場合でも、1匹が犬に捕まりそうなった結果仕方なく反撃したとしても、そのヘビを倒した犬が次に襲ってくるのを待たず、残りのヘビは逃げるのでは?それでも逃げないほど、この家にヘビにとって魅力的な獲物がいたんだとしたら(そういえば、この家8人家族だと書いてあった。でも人間は獲物じゃないでしょ)、もっと前にどんどん襲撃しに来てたんじゃない?4匹以外のヘビだって大挙して押しかけていてもいいくらいだ。なんで4匹しか来ないの?

話題のBBCプラネットアースII。ヘビが群れでひとつの獲物を襲うのか?

ヘビが群れでひとつの獲物を狙うのかに関して思い出した動画があるんだけど、これ書いてたら長くなりすぎたので、別の記事にします

 

飼い主がわざと不用心すぎたか(そんなはずはない)、でなければ作り話

ヘビは基本群れを作らないので、同じ群れであるはずがないんだけど、同じ群れでもないのに、4匹の個体が同一の家や犬を襲おうと、同じタイミングで現われたってのが本当だとしたら、その家にはもっと頻繁にヘビが出現していたはずでしょ。毎日毎日入れ代わり立ち代わりうじゃうじゃ来てた、っていうんだったら、偶然一度に4匹現われる日だってあるかもしれない。毎日入れ代わり立ち代わりだったかどうかは不明だけど、それくらい頻繁に来てたんだったら、この家警戒が甘すぎ。犬が死んで悲しむなんてわざとらしすぎる。そんなに頻繁に来てるわけないんだとしたら、その日4匹来たというのは作り話。

なぜかドーベルマンばかりがキングコブラと闘い、犠牲に

インドでは、ドーベルマンがキングコブラをやっつけて飼い主である家族を救い犠牲となった、って話はウケが良いのかな?今年(2017年)3月にもインドでドーベルマンが家族を守るためコブラと戦い、仕留めた後に息を引き取ったって記事があって、同じように死んだドーベルマンと死んだヘビが並んだ写真があるけども。要は、死んだ大型犬の隣に、死んだ大蛇を並べて写真を撮れば、確実にバズるってことじゃん(その際、ドーベルマンがこの時代にも関わらず断耳・断尾されていたところで糾弾されない。ドーベルマンは、もと軍用犬として開発された犬種なので勇敢で戦闘能力も高い上に、飼主への忠誠と愛情が強いことで知られる)。それに気づいたインド人がいないはずないし、気づいてたら実行も可能な環境だ。キングコブラが生息しない日本では不可能でも。YouTubeには、インドじゃなくてインドネシアかマレーシアかもしれないけど、キングコブラを仕留めて死んだ(であろう)ドーベルマンと死んだキングコブラが写った動画がある(2013年)。ドーベルマンの他に多いのは、ピットブルで、多くはないがジャーマンシェパード、シベリアンハスキーなどの写真も画像検索では出る。ぼくの完全な勘ぐりにすぎないけど、「勇敢に戦ってついには毒ヘビを倒して一家を救ったが、屈強で恐れを知らぬ大型犬でもコブラの猛毒には勝てなかった」という方がインパクトがあるからか、

大型犬の場合、飼い主は、あえて止めずにヘビと対決させるってこともあるのでは?

小型犬だったらキングコブラに勝てそうにないから、犬の激しい吠え声によって異変に気づいた飼い主は、すぐに介入して犬を避難させるが、勇猛果敢な大型犬の場合、「もしかしたらヘビを倒してくれちゃうかも」と期待して、そのまま戦わせるのかもしれない。YouTubeには、大型犬vsコブラという動画が思いの外たくさんあるけど、一噛みでも噛まれたら死んでしまうのに、よく撮影なんかしていられたなと思う。つまり、犬が命を落とすかもしれなくても、止めずにやらせているわけだよね。ヘビの反撃が効いて死んだ場合は、「家族の生命を救った」とかいって美談にしてるってことなんじゃないの?

キングコブラに噛まれた犬の壮絶な映像に思ったこと

YouTubeには、キングコブラに噛まれたという犬が、強い神経毒の作用で激しく痙攣しながら数分後に息絶える様子をずっと撮影した動画がある。黒くて胸に白い部分のある、うちの1頭と同じ毛色の犬だということもあって見てしまい、あまりの凄惨さにぼくは発狂しそうになった。見るもんじゃないし見ちゃだめだっていう自分もいるんだけど、どうしても目をそらせない。うちのに似た子を見つけてしまったからには見てしまわないと、との思いもあった。確か2,3分だったはずだけど、感じた長さはぜんぜん違う。永遠のように長かった。
あんなに苦しむのかって、ほんとに辛すぎる。世の中にあんな死に方があっていいはずがない。
どうにか助けたいけど、どうしようもないことも知っていて、こんな姿でこんなに長く苦しむならいっそ早く楽にしてやりたいとも思うし、まだ生きてる子にそんなことやっぱりムリ、奇跡的に回復するかもしれないし、とまで思ったりする。

途中、その犬の死にゆくさまを見ている、飼い主らしきインド人家族の様子がちらっと映るんだけど、大人も子供たちも単に黙って真顔で見てるだけなんだよ。というか、その家族にカメラが向いたとき、彼らがちらっとカメラを見るんだけど、真顔というより、なんでもないふつうの表情なんだよね。
ああなったら手の施しようがないだろうけど、泣き崩れていたりとか、助かりそうにないけどどうにかならないかと慌てる様子なんかを頭が勝手に先回りして想像しちゃう状況でしょ。うちの子があんなになったらいったいどうしたらいいんだろう、なんて思って見てるもんだからさ。けど、あまりに平常心で見ているような感じだから、
「ひょっとして彼らの犬じゃなく、勝手に敷地に入ってきて悪さしていた野良犬にバチが当たって、毒ヘビに噛まれ体中から体液を垂れ流しながら痙攣しているだけだから、汚いなーって感じで平然と見下ろしているだけなのかな」とか想像してしまった。

国や民族や宗教や死生観、それらを背景とした文化の表われか。ヘビは世界中の神話に登場する生物だが、インドにおいては今でも、ヘビは宗教上特別な地位にあり、畏怖の対象なんじゃないかと思われる。インド人にとってのヘビの特別な地位と比べれば、インドにおける犬の地位など底辺に近いんじゃないかと思う(実際、インドのパリア犬(よくいる野良犬っぽい犬)は、カーストの最下位とされているようだ)。ヘビに殺される犬を前にした反応は、この地位の違いが影響しているのだろうか。
(これが今回の記事の結論というわけではないし、極めて多様性に富むインド人について、その犬の扱い方を一括りにするものでもない。こんな但し書きするなんてばからしいけど、人種で一括りにしているようにみえるとアレだし、結論だとするとあまりに単純すぎてもっとばかみたいだから、違うよと言っとく。なんかこの記事は他人のしたことを批判する内容みたいになってしまって、いい感じしないな。結論なんかあるわけない。ぼくとしては、最近気になっている、ヘビと犬の話にモロかぶりの話題だったために取り上げることにしたんだけど、なりゆきで、自然史映像番組についてのモヤモヤした問題に言及できたのは楽しかった)
動物に対する見方や感情って人により異なるけど、国ごとに傾向もあるように思う。うちの犬たちと今暮らしているこの土地でも、頻繁に感じることだけどね。だから彼らを保護するしかなかった。

 

「2.10」の脚注(ヘビが群れで生きるか、ヘビが群れで狩りをするか、について)

(*1)ガータースネークのうちある地域に生息するものは、集団で冬眠し、冬眠から覚めた春に集団で繁殖期を迎える。これは多数個体が同じ場所で生命活動の一部である冬眠をするだけであり(当然同じ場所で目覚め、目覚める時期が繁殖期と重なるから、そのまま繁殖活動に入るにすぎない)これを群れで生きるというのかは少し疑問もある。
ただ、多数の個体が同じ洞窟で冬眠することで、相互に体温が低下しすぎることを防ぐことができている。だとすると、同じ場所でする冬眠は、冬を乗り切って生命を維持するため重要な意味があり、その恩恵が相互的でもあるから、群れで冬眠するといっても良いかも。しかし、これはヘビが群れでは生きないことの希有な例外。

(*2)この点、キューバボアが集団で狩りをすると発表した論文があり、ヘビが群れで獲物を狩ることが判明したとしてインターネット上で話題となった。しかし、この論文のクオリティは驚くほど低く、著者の観察結果をもって、ヘビが群れで狩りをする例とすることはできないんじゃないかと思う(へんな論文を根拠に新発見ってしないで欲しいんだよね。まあネタサイトなんだけど。上のガータースネークについても、カラパイアに記事がある。先日書いたトビヘビについてもあったんだった。カラパイア、話題になりそうなネタを記事にする力すごいかも。おれ完全にその枠内になっちゃってる)。著者は、ある洞穴でその内部に生息するコウモリを捕食するヘビ9匹の狩りの試み16回を観察したにすぎない。この16回は、9匹が集団で狩りをした回数ではなく、各個体が1匹のコウモリを狩る試みの成否の合計回数である。そして、全16回中、いずれかの個体がコウモリの獲得に成功した14回は、同じ狩り場に同種の個体が2匹または3匹いたのに対し、コウモリを獲得できなかった2回は、その場に、狩りを試みた個体の他にはおらず単独だったという結果をもって、狩りの効率を上げるため集団で狩りをしていると結論づけている。コウモリが洞穴内の巣穴から外へ出たり、外から巣穴に戻る際の通り道が、この洞穴でのヘビの主な狩り場であり、通り道に数匹のヘビがいることで、1匹の場合よりコウモリの通り道(逃げ道)を塞ぐ(狭める)ことになって、各自の狩りの成功率を上げているということはいえると思うが、成功率を上げるため複数で協力し合う目的で同じ場所に集まって狩りをしているとまではこの観察だけでは到底いえないし、成功率を上げるために他の個体が複数いる場所を選んで狩りをしているとすらいえないはずだ。そこを狩り場としているのは、コウモリの通り道の中でもっとも細い部分であって戦略上有利な地形だからと思われるが、有利な地形であることはどの個体にとってもあてはまる。そうすると、コウモリの出入りの多い時間帯という同じタイミングで、複数の個体がその場所に狩りのため現れることがあるとしても、それはむしろ当然であり、集団で狩りをするために集まったとまではいえない。ヘビは獲物を獲得すると他の個体に分配することもなく、単独で食べたあとはその場を離脱し、残った他の個体の狩りには関与しない。離脱したヘビに代わって、順次、別の個体がコウモリ待ち伏せのポジションに来るから、その場にいる残りのヘビはそれぞれ、他の個体の存在によりコウモリの逃げ道が狭められるという恩恵を受けられるが、この恩恵というのは相互的ではなく一方的だから(先に恩恵を受けた個体は恩恵に報いることなく離脱するし、いつも複数いる場所で狩りをするとは決まっていないから、後で必ずその恩恵に報いるとも限らない)、「協同」して狩りを行っているとはいえない。他個体の存在による偶然の有利な効果を享受するにすぎず、その効果の享受を他個体は妨害しないというだけだ(この洞穴には無数のコウモリがいるらしい。妨害しないのは、ヘビの数に比べ獲物のコウモリが圧倒的に多く、焦る必要がないためと考えられる)。

この論文のクオリティの低さの例。キューバボアの論文「図2」として洞穴の見取り図とコウモリ、ヘビの位置関係を示した手書きの図が描かれているんだけど、その手書きの図がへたくそでおおざっぱすぎて、どういう位置関係でどういう状況なのか、まったくわからないんだよ。その図があろうとなかろうと、言ってることの理解度は変わらない。しかも、図のところでは、2個ある「図2」のそれぞれを「図2a」「図2b」(ていうか、図2のa, bなのかすら一見よくわからない。単に「a」「b」って書かれてる)と表記しているのに、本文中ではそれぞれが大文字のA, Bになってる。その上、図2aに示された地点1, 2, 3, …..が何を指しているのかの説明部分は、one, two, three, ….となっているんだわ。こんな論文ある?頭おかしいでしょ。その他にもツッコミどころ満載すぎて、ある意味面白いけど、何の価値もない。

あ、そうそう、この人、群れで狩りをするという珍しいヘビの研究でアメリカからキューバの現地に観察に行っているのに、洞穴の様子もヘビの写真もコウモリを捕食するところの動画も写真も撮ってないんだよ。群れで狩りをしてるって証拠がゼロなんだよ。せめて洞穴の写真があれば、まったく意味不明の手書きの見取り図なんかより状況をつかみやすかったのに。「真っ暗闇の洞穴の中だから、今度は赤外線の暗視機能のついたカメラでビデオ撮影ができたらいいな」みたいなこと書いてあるけど、なんで最初から暗視カメラ持って行かないのか、さっぱりわからない。今どき、数万円もしないやつでもそこそこ撮れるし、観察中はムリでも、観察終えて帰るときにでもフラッシュ焚いてスマホで写真とりゃいいじゃんね。どこかに障害でもあるのかな?自然科学で学者になるのって簡単なんだね。だからBBCのホワイト博士(別の記事で書くことにした、BBCプラネットアースIIのプロデューサーの女性)もちょっと?なのかな。[/three-fourths-first][one-fourth]
おもしろくもないブログをわざわざ読みたくないでしょ?このブログは、「おもしろいこと」に重きを置いて、よそでは得られない情報を共有しようと思って書いてるブログです。

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役立つ・実用性あること
専門性あること
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を書いています。

「読むだけで頭が良くなる」と言ってくれる人もいますが、それを目指して書いてもいます。

書いてる私は
ナリタマトコ

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などについて分かりやすく、
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新しい視点で述べています。
生きものに興味などなかったのに、なぜか今は生きものと暮らすようになってしまった。犬3頭、フクロウ、オオトカゲのみんなと同居してる。そのことで、人間以外の生物について考えることが多くなったんだけど、そうすると今まで考えつきもしなかった新たな発見をすることもある。生きものに興味がなかった人でもきっとおもしろいと思えるんじゃないかという話がまだまだあるよ。

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